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フィアット500 デュアロジック ギア抜けトラブル!

もう10年以上フィアット500に乗っています。大小様々なトラブルを経験しながらも愛着を持って維持していますが、この車のトランスミッション「デュアロジック」がなかなか曲者で、運転が楽しい一方でトラブルが起きたときはなかなか厄介です。
現在進行系の出来事ですが、少しまとめて行きます。

デュアロジックって?

フィアット車に採用されているトランスミッション、「デュアロジック」ってどんなものでしょうか。フィアット公式に以下のような紹介がありました。

デュアロジックのベースとなっているのはマニュアルトランスミッションですが、マニュアル車との違いは、クラッチ操作が不要なことと、自動変速モードを備えていることです。またAT限定免許でも運転できます。

日本ではATやCVTが主流ですが、トルクコンバーターをもつこれらのトランスミッションは変速時に滑らかにギアが繋がることと、ブレーキペダルから足を離したときにゆっくりと前進するクリープ現象を持つのが特徴です。ただし構造が複雑なため、重量はほかのトランスミッションに比べてやや重くなりがちです。

これに対して、FIAT 500(チンクエチェント)やPandaに採用されているデュアロジックは構造がシンプルで、軽いという特徴があります。またトルクコンバーターを介さないことからATに比べてエネルギーの伝達ロスが少なく、低燃費走行にも寄与します。

fiat magazine CIAO!

「セミオートマ」「シーケンシャルミッション」「ロボタイズドAT」などと呼ばれる、クラッチペダルが無くアクセルとブレーキの2ペダルのトランスミッションですね。アルファロメオにも同等の機構があり、こちらは「セレスピード」と呼ばれています。

AT車からそのまま乗り換えると違和感と言うかギクシャク感を感じる人が多いですが、私はこの車に乗り換える前にはMT車ばかり乗っていたので、変速タイミング等割りとすんなり馴染めました。
MT車でのクラッチ操作にあたる部分をデュアロジックユニットが担当し、長く乗るとどうしても消耗する部分があってそこからトラブルに繋がって行くわけですね。

公道で故障した!どうする?

11月に入って寒くなってきた頃から時々ギア抜け(走行中にギアがニュートラルになる)症状が発生していたものの、ギア入れ直しの再操作で走行できていました。それからもだましだまし乗っていたのですが…ついに身動きが取れない事態に発展してしまいました。

私がお世話になっている整備工場のドッコオートテクニカさんの技術ブログに対処方法が紹介されておりますが、今回2速→3速への変速時にギア抜けが発生し、停車後は1速、2速、ニュートラル以外にギアが入らなくなりリバースギアに入らない(=バックできない)ため出先でお手上げとなりました。

<走行時ギア抜けした場合の対処方法>(すべてが対処できるわけではない)
① アラームが鳴っていても慌てず、シフトレバーを手前に引く「+」(アラームが鳴った直後は無効)
② ①の操作でもギアが入らない場合はそのまま停車し、一度「N」にしてから再度シフトレバーを「D」にする。
③ ②の操作でもだめな場合はエンジンを一度停止し、メーターパネルが消えるまで待つ。そして、キーをオンにし(セルは回さない)ブレーキを踏みシフトレバーを動かしてみる(N→D→R→D→N等)。エンジンがかかっていない状態でシフトチェンジが出来たら、セルを回しエンジンを始動させる。

車のコンピュータのシャットダウンはすぐには終わりません。エラーは、シャットダウン前に再始動してしまうとリセットができない場合があるので、最低でもメーターパネルが消灯するまで待ってから再始動する必要があります。

ドッコオートテクニカ技術ブログ

幸い自宅から徒歩圏内でのトラブルだったため、一旦帰宅して整備工場と保険会社にそれぞれ連絡、後日レッカー移動してもらう手続きを行いました。

備えよう!転ばぬ先の…

いざトラブルが発生した時に事前の備えがあるかどうかでその後のアクションが大きく変わって来ます。予期しないことが起こった場合には精神的な面での影響が全く違ってくるでしょう。

頼れる整備工場

車が故障したとき、程度にもよると思いますが修理という選択肢を多くの人が検討するでしょう。ディーラーで購入して新車保証があるのなら迷わずそれを使えば良いですが、古めのマイナー車などの場合には自分が頼れる整備工場を見つけておくのが非常に重要かと思います。私はオイル交換や簡単なパーツ交換くらいならDIYでやってしまいますが、自分で手が出せなさそうと感じた作業は迷わず専門店に依頼します。

上の方でも触れましたが、ドッコオートテクニカさんはフィアット車の専門店で技術・知識・ノウハウといざという時非常に頼れます。ディーラー以外にもこういったいざというときに頼れるお店をできればトラブルが起きる前に把握しておきましょう。

自動車保険

整備工場は知っている、ではそこまで故障車をどうやって運びますか?

自走できない、もしくは常にその可能性を抱えて走るのであればレッカー車に頼りますね。自動車に乗る人の大半が加入しているであろう自動車保険。名称は違えど多くの保険でロードサービス特約を付帯させることが可能です。自分でレッカー車を手配するよりも費用面の負担は大幅に軽減されるので使わない手はないでしょう。一定距離までは無料で対応してくれる保険会社もあります。ぜひ保険の契約内容を確認しておきましょう。

インズウェブでは複数の保険会社に対して一括見積もりを行うことができて便利です。私も保険契約更新前の検討に活用しています。

JAF

ロードサービスといえば、JAF(日本自動車連盟)を真っ先に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

私も何度かお世話になったことがありますが、車で困った事があったときには本当に頼れる存在です。レッカー移動だけではなくバッテリーあがり、タイヤのパンク等、困ったときには非常に心強いです。上記の自動車保険のロードサービス特約と組み合わせておけばより安心感が増すでしょう。

トラブル対応とは関係ないですが、JAF会員向けの優待割引等もあって年会費以上の価値は確実にあると思います。

2023年1月31日まで入会キャンペーンを開催中です。まだ会員ではない方は是非機会にご検討を!

JAF会員になると送られてくる会誌「JAF Mate」の記事が面白いので、そちらもオススメです。

工場へ入庫!どうなった?…直った!

工場へ入庫から約1週間、修理完了の連絡を頂きました。

工場でお話を伺ったところ、状況としてはデュアロジックのメカニカルユニットの部品であるセレクションソレノイドの不良が原因で、この部品の交換となりました。ソレノイド内部にトランスミッションオイルが侵入し、このオイルが動作不良を引き起こしていたそうです。

セレクションソレノイド

デュアロジックのトラブルでディーラーに持ち込んだ場合、このような一部品の故障であってもデュアロジックユニット一式の交換を提案されれることも多々あるそうです。原因特定ができて部品交換で済むならコスト的にも安く抑える事ができるので、やはり頼れる整備工場があると無いとでは全くカーライフは違って来ると改めて強く感じました。

工場から自宅への帰り道、今まで以上に快適なギアチェンジを楽しめました。今後も末永く維持していきたいと思っています。

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